ウイルスとの闘い 勝利とは

 新型コロナウイルスの厄災は「第二次世界大戦以来の試練」であると、欧州各国のリーダーや国連総長は危機感をあらわにする。日本でもこんな春は終戦の年以来かもしれない。75年前、東京は桜の季節に空襲に遭った。

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 「カドメイアの勝利」ということわざはギリシャ神話に由来する。勝つには勝ったが負けたの等しい打撃をこうむる。そんな勝ち方をのことをいう。
 いま起きつつある経済への痛手は深刻だ。リーマン・ショックどころか1929年に始まった世界恐慌と並ぶとの予測もある。ウイルスは封じても、差し違えるように多くの人が倒産や失業、困窮の波間に沈んでしまう恐怖が、日本中を暗く覆う。「カドメイアの勝利」におびえるのは立場の弱い人たちだ。

 「危機のリーダー」を意識してのことだろう。首相は緊急宣言後のスピーチで、世界恐慌のさなかに就任したフランクリン・ルーズベルト元米大統領の名高い「恐れるべき唯一のものは、恐れそのものだ」のくだりを借用していた。
 それはそれでいい。だが対策が失敗した場合の責任を問われると、「責任を取ればいいというものではない」と地金が出た。借用した重厚な言葉との落差に当人はお気づきだっただろうか。

 首相の言葉がしばしば誠意の裏打ちを欠くことを多くの人は知る。その自省のなしに「信」は生じまい。ちなみに今日はルーズベルトが75年前の終戦の年に在職のまま死去した日。希望をかざす資質において群を抜いた人物だったという。
2020.4.12(日)朝日新聞朝刊













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この記事へのコメント

むさし嵐丸
2020年04月14日 12:24
アメリカ ニューヨーク州知事
クオモ氏の言葉
「コロナウィルス肺炎による死者は、
ヒスパニックとブラックが多い。
貧しい人々。何故だ!究明しよう!」
こんな感じでした。
敢えて、政治のアキレス腱に触れる言葉
批難もあるよね。
でも、彼にはリーダーシップがあるよね。
牽引力!
meruちゃん
2020年04月15日 13:10
起こっていることをそのまま伝えた。
オバマが唱えた国民皆保険を否定したトランプ。
彼は、クオモ氏に対して一目置いてるとの報道もあったが。
しかし、トランプが本気で敬意を表すとは思えない。

>むさし嵐丸さん
>
>アメリカ ニューヨーク州知事
>クオモ氏の言葉
>「コロナウィルス肺炎による死者は、
>ヒスパニックとブラックが多い。
>貧しい人々。何故だ!究明しよう!」
>こんな感じでした。
>敢えて、政治のアキレス腱に触れる言葉
>批難もあるよね。
>でも、彼にはリーダーシップがあるよね。
>牽引力!