ご冗談を、「上の方々」
これってタチの悪いジョークか? 東京オリンピック(五輪)・パラリンピック大会組織委員会の森喜朗会長の辞任劇。改めて日本社会の病理の深さを思い知った。 発端となった森会長の発言。民間企業なら一発退場だろう。本人の無自覚さ以上に組織委幹部、スポーツ界幹部、そして政府にその感覚がないことにまず驚愕。こんな差別発言を許すのかと問われた首相や官房長官は「組織委は独立した法人だから会長の任免は理事会・評議員会の権限」とひと事答弁。ルールの話など聞いてない。世界が見ているのに。これだからジェンダーギャップ指数121位なのだ。 次が本人の謝罪会見。謝っていない。俺なしで五輪ができるのか、と言わんばかり。驚愕は続く。本人の辞任意向報道、程なく後任人事の報道。取材を受けた「後任氏」は「受諾」と回答。 ん?人事・人選は理事会・評議員会の権限じゃないのか?誰が何の権限で打診?なんで受諾っていう? この後に及んんで「後継指名ー禅譲」か。 そして「後任氏」の受諾撤回。官邸がその人事に難色を示したという。おいおい、人事は組織委の問題と言ってなかったか。何で「官邸」なんだ?後任人選の委員会もメンバー含めこれまた全面非公開! 全てが「密室」「裏動線」。21年前の森首相「密室指名」、昨年秋の菅首相誕生の顛末と構図は同じ。こんなこといつまでやるのか。「上の方々」は時間が止まっているらしい。 そして最後に。この一連の騒動をまともに批判せず追っかけ報道する日本のマスコミ。現状を追認しているのと同じことだ。 この国の病根は恐ろしく深い。 2021.2.19(金)朝日新聞朝刊 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ こんな事、民間企業でも当たり前に起こっているよ! |
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