前沖縄県知事、翁長雄志氏の言葉通り、この国には「愛がない」。戦後復興の名のもとに推し進められた経済成長は、経済と産業の発展を最優先し、肝心なものを置き去りにしてしまった。失われたものは計り知れない。人間は成長どころか退化してしまったのかもしれない。 原発事故の後始末もままならず、自殺者は後を立たず、権力を握る者とそれにすり寄る者たちだけが肥え太り、弱者は切り捨てる。絵に描いたような失政ではないか。今も仮設住宅で暮らす人がいるのに、オリンピックや万博どころではない。戦後の人々の幸福にはほど遠く、いまだ道迷いのただ中である。 ハローウィンや年越しのカウントダウンに集まるパワーが、なぜ辺野古に向かわない。取り返しのつかないことが強引に進められているのに。私たちはこんなに愛されていないというのに。胸がつぶれる思いである。 「寄り添う」と言いながら、踏みにじる。聞くふりをするだけで、聞きながす。何をしでかしても謝らない。そんな国であってはならない。 愛のない国が行き着く未来がどんなものか深く考えなくてはいけない。大人の責任である。 2018.12.25(火) 朝日新聞朝刊 読者の声から |
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